昨年10月の地震により、各所で水路が崩壊していたKohala Ditchの補修作業が今月から始まった。
歴史的な価値があるKohala Ditchを復活させようというプロジェクトへの寄付に、私も何枚かTシャツを購入して気持ちだけ協力させてもらった。
Kohala Ditchというのは、元々ノースコハラのサトウキビ畑の灌漑用として100年以上前に建設された用水路である。
1904年に完成した全長22.5マイル(36km)の水路は、18ヶ月の工期と694,000ドル(現在の100億円程度)の費用がかけられた大プロジェクト。
実は約600人の日系移民がこの事業に従事しており、そのうち17人が亡くなるという彼らの過酷な労働が無ければ実現しなかったに違いない。
例えば水路の中で29ヶ所あるフルームと呼ばれる木造の水道橋の足場の石積みは、石ひとつを積んで5セントの契約だった。
その石積みは昨年の地震で何ヶ所か崩れはしたが、現在も大部分が当時のまま利用されていることから、当時の日本人の技術力は高かったようである。
建設時期が日露戦争の頃ということで、水路に57ヶ所あるトンネルのうち一つに「大日本帝国○○」と落書きされている。きっと異国の地で働きながらも祖国の行く末を案じていたのだろう。移民一世の複雑な気持ちが感じられる。
Kohala Ditchの開通によってノースコハラに広大な農地を作ることができた。しかしサトウキビ産業が衰退する1970年代以降は、利用目的が地域の造園業者、農園、牧場や養魚場での使用に移ることに。
また90年代後半になると、この水路をカヤックで下るツアーが開始されて、新たにエコツアーという利用も行われるようになってくる。カヤックツアーが徐々に人気となり、ようやく地域住民以外にもKohala Ditchの存在が知られ始めた。
そんな復活を遂げたKohala Ditchなのだが、残念なことにあの地震によって水が枯れてしまってから約1年になる。それがようやく補修開始ということで、安定した水が必要な農家の人達もホッとしていると聞いている。
私も早く水の流れが戻ってほしい。『坂の上の雲』で描かれた時代に、ハワイ島の山奥でも日本人が頑張っていた証の一つだもの。







